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DONUT WORKSHOP REPORT

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「子どもたちは生活している」

今回は、きらきら保育園さんでのワークショップのリポートです。

穏やかで心地よい空間
自宅の納屋を改装したというきらきら保育園さん。
山に囲まれた道を通りぬけ、畑の小道を入っていくと、こんな園舎がでてきました。
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園庭で思い思いに遊んでいる子どもたちに
「今日、一緒に遊ばせてもらいにきました。ひでといいます。よろしくお願いします。」
といってあいさつをして回っていると、一人の女の子がいいました。
「ねぇ、カエルのお家みせてあげよっか。」
「うん、ぜひお願いします。」

カエルのお家、、
ハコかな?
バケツかな?
なんて思いながらその子たちのあとをついていくと、目の前にあらわれたのはこれ。
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カエルのお家というのは園庭にある竹ばやし、全部なのでした。
僕の想像をはるかにこえる、とっても素敵なお家でした。

この林を家という子どもたちの感性にワクワクしながら、様子をみていると、すぐにもう一つ、素敵なことに気付かせてもらいました。

それは静けさです。
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縁側にすわり、園庭で子どもたちをながめていると、園庭の一番奥にいる子どもたちのつぶやく声が聞こえてくるのです。
それはどういうことかというと、保育士が子どもたちにむかって大きな声で活動を誘導していないということ。
子どもたちは一人ひとり自分のペースで、興味・関心にむかって真剣に遊んでいます。
それがなんとも心地よい静けさなのでした。
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このような雰囲気の中で、子どもたちにも温かく仲間に歓迎してもらい、気づけば30分近くが経っていました。

それじゃあそろそろワークショップをはじめようかな、と思いつつ、しかし、ここで僕には一つの迷いが浮かびました。

(みんな、こんなにも自分の遊びに夢中になっているのに、今ここで、僕がわざわざ声をかけることは邪魔じゃないだろうか。)

僕のワークショップが、たとえば演劇鑑賞のような「子どもたちの非日常的な出会い」というコンセプトであれば、「みんな集まってくださーい!」といって、子どもたちの遊びを中断させるのもありなのかもしれません。

でも、僕のワークショップの根っこは、保育と同じ、子ども達ひとりひとりの育ちです。
だから、子どもたちの暮らし、生活に割り込んでいくようなやり方で進め方はしたくありません。

大切なのは、自分のワークショップに子どもたちがのるかどうかということではなく、あくまでっきっかけの一つを提案し、それを自分の興味・関心、自分のタイミングで選んでもらうこと。

そこで、僕は園庭のはじに小さくシートを広げ、一人、新聞紙で遊びはじめました。

これなら、自分の遊びに夢中になっている子は、僕のことは気になりません。
自分の遊びに一つの納得や終着がえられたときは、自然と新しいことに気づきます。
それが、その子のはじまる時です。

そうして、一人ずつ、一人ずつ、自分のタイミングで集まってきました。
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段々と伝わっていく雰囲気はとても心地良く、なによりはじめに感動させてもらった、この園の素敵な静けさを、そのままに過ごせたことが、僕にとってもすごく嬉しいことでした。

今回のワークショップでは、新聞紙を使って色々なものを作っていきましたよ。

トンボ、鳥の親子、船、車、洋服、冠、髪飾り、電動ドリルetc
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新聞紙というと、やぶって遊ぶことが多くイメージされますが、にぎったり、丸めたり、どちらかといえば粘土に近いような感覚で、楽しんでもらいました。

子どもたちは生活をしている
今回、きらきら保育園の子どもたちをみていて、あらたあめてきづかせてもらったことがあります。それは、子どもたちはここで生活をしているということ。

保育の現場では、子どもたちを思う先生たちの考えによって、色々な活動やプログラムが計画されていきます。もちろん、それが子どもにとって豊かな経験や学びになるということもたくさんあるし、それも含めて子どもたちの生活ということでもあるでしょう。

しかし、この「生活」という意識を、ときに立ち止まり、丁寧に考えることが大切なのかもしれません。
なぜなら、大人たちはプログラムや計画、場面の切り替えを前にすると、ついつい子どもたちが「生活している」という視点を雑に扱うことも少なくないからです。

それは、きっと意識のどこかに子どもたちが自分できめた活動、自分できめた時間よりも大人が提供するプログラムや誘導のほうが良いという考えがあるからなのかもしれません。

でも、子ども達の実際をみていると、そんなことはない。

ちゃんと自分の学びを見つけ、自分の判断をしていきます。
そして、それは大人たちが大切に思っていることとも、多くかさなります。

そのことを、子どもたちがのびのびと遊ぶ姿や、新たな遊び(僕とのワークショップ)も自分で選ぶ姿、そしてそれが守られる穏やかな空間、側に寄り添う先生たちをみていて、あらためて実感させてもらいました。

***

たとえ先生が子どものためによかれと思っていることであっても、
その計画は、その言葉かけは、子どもたちの「生活」「暮らし」にとって心地よいかどうか?不自然ではないかどうか?

これは、なかなか魅力的なものさしになると思います。
ぜひ皆さんも考えてみてください。

***

きらきら保育園のみなさん素敵な時間を、そして素敵な縁をつないでくれたはるちゃん、ありがとうございました(*^^*)
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by doughnut-official | 2013-07-12 17:58 | 幼稚園・保育園などのWS
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