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DONUT WORKSHOP REPORT

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「安心からはじまる表現」

みなさんこんにちは。
春らしいポカポカ陽気になったと思いきや、ここ数日は寒い日がつづいていますね。
年度はじめは知らず知らず疲れもたまりますから、風邪などひかないように注意してくださいね。

僕はというと、少しずつ新年度のワークショップもはじまってきました。
今日は越谷市保育園で行った親子講座から。
僕自身もブームが続いている空き箱と新聞紙を使い、色々作って遊びましたよ。
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その中から二人の様子を紹介したいと思います。

身体の安心からはじまる

一人目は、途中から遅れて参加した女の子。
僕が挨拶をすると、ササッとお母さんの肩に隠れてしまいました。
周りのみんなはすでに集中していて、部屋もシーンとした雰囲気だったので、
中に入ってくるのも緊張したようです。
そこで、見知らぬお兄さんが話しかけてきたら、、
びっくりするのもわかる気がしますよね。

そこでまずは、彼女に安心してもらいながら、遊びのイメージを膨らませられたらと、
少し離れた場所で、その分身振り手振りを大きくして説明を始めました。
空き箱と色紙を使って、折ったり、貼ったり、描いたり、切ったり、
「どんな物を作っても、どんな風に作ってもいいんだよ。」
ということが、見ているだけでも伝わるように、ゆっくりとやりました。

笑顔は見られませんでしたが、緊張からだんだん真剣な表情に変わっていくのがわかります。説明をおえ、僕が離れると、彼女は早速作りはじめました。

そうして、しばらくしてから様子を見に近くにいってみると、
今度はニコッと微笑んで、嬉しそうに作っているお家を見せてくれたのでした。
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***

僕は、初めて出会う子ども達とは、最初、物理的に距離をとるというのを、大切に考えています。
見知らぬ大人にいきなり目の前まで近づかれたら、大人でも緊張しますもんね。
なので安心してもらうために、少し距離をとります。
子ども達が自分から近づいてきたくなるまで。
しかし、こうした子どもの安心の距離というのは、なかなか無視されてしまいやすいものでもあります。

小さい、幼い、かわいい、かよわいなど
大人が子どもに感じる、大人本位の理由で、グングン近づいていく人っています。

なぜ、そのようなことができるかというと、
「子どもは自分で人や状況を判断している」
ということを想像していないからではないかなと思います。

***

子ども達を見ていると、自分なりにしっかりと状況を理解しようとしているのが伝わってきます。
人の表情、人の行動、場の雰囲気といった情報を自分なりに集め、整理して、
自分に危険はなさそうか、この場は面白そうか、を考えているんだと思います。

今回の彼女もそう。
周りに人はどんなことをしているか。僕はどんなことをしているか。
自分が使える道具はどれで、自分はどんな風に遊ぼうかを考えて、判断する。

その一番最初の判断材料が、ここは自分にとって危なくない場所か。危なくない人たちか、という、からだの安心なのだと思います。

彼女は彼女のペースで、そして彼女のものさしで、この空間や僕の存在に安心を見つけたから、活動をはじめたのでしょう。

心の安心からはじまる

もう一組は、お母さんの方がなんと、去年僕が別の保育園の講座にいったとき、職員として入っていた先生。その時の講座の話に共感してくださり、今回は母親として自分のお子さんを連れてきてくれたのでした。

当時、
「うちの子は、最近は絵を描いたり工作をするのが好きじゃないみたいなんですけど、今日の話を聞いたら、園では周りの評価を気にして、臆病になっているのかもしれないって思いました。」
と心配していたママ先生。
その後は、市内の別の保育士研修にも参加してくれて、今回は三回目、ついにお子さんも一緒の参加となりました。

では、心配していたお子さんはどんな感じだったかというと、
作る、
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作る、
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相談がウソかように、とても楽しそうに作っていました。
お母さんもその姿を、とても嬉しそうに、驚いて見ていました。

***

なぜ、彼は夢中になって作っていたのか。
それは、彼がこのワークショップが面白そう!と思ってくれたのはもちろんだと思うのですが、
もう一つの理由は、心の安心を感じてくれたからだと思います。

心の安心というのは、

どんな物を作ってもいい、
失敗してもいい、
「変なの」「なにそれ」っていわれない、
もっとここを~したほうがいいよっていわれない、

そういう表現に対する安心という意味です。

彼は、このワークショップの雰囲気から安心を感じ取り、
「ここならやってみよう!」と思ったから、作りだしたのだと思います。

帰り際、お母さんが小さな声で教えてくれました。

「わたし、この子があんなに楽しそうに作ってる姿はじめてみました。やっぱり作るの好きだったんだ。きてよかった。」

親子ともに笑顔いっぱいで帰っていきました。

***

子ども達というのは、大人に比べれば知識や経験は圧倒的に少ないものです。
ですから、モノゴトの判断の材料が大人からみれば少ない、時にあぶなかっしいと思うのも当然のことでしょう。

しかし、判断の材料が少ないからといって、それがそのまま判断する力、考える力をもっていないことになるかといったらそうではありません。
子ども達は自分の知識と経験と感性をフルに活用して、自分で判断し、行動しています。

その力を存分に発揮して、動きだせる土台、、

安心。

子ども達の心の安心、身体の安心、どちらも大切にされる中で、
のびのびと育っていってほしいですよね。

増林保育所子育てサロンの皆さん、参加してくれた皆さん、ありがとうございました(*^^*)
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by doughnut-official | 2014-04-22 07:33 | 親子のWS | Comments(0)

「ちょっとした相談ができる場所」

こんにちは!
みなさんいかがお過ごしでしょうか。

僕の方も、おかげさまで26年度も素敵な出会いがありそうです。
新天地としては、京都への進出がきまりした♪
毎年少しずつですが、ワークショップ日本一周が進行中です。

一方ホームタウンの越谷では担当させていただく親子講座が10本を越え、公立の保育士研修会にも呼んでいただけることになりました。コツコツと地域に根をはり活動中です。

またワークショップや講座にくわえ、昨年に続き雑誌の企画のお仕事、絵のお仕事などなどもいただき、期待に胸を膨らませております。

ブログを読んでくださっているみんなのところにも色々な形でお届けできるようにがんばっていきますね(^^)

***

さて、今日は恒例となっておりますララガーデン川口さんでの親子工作ワークショップの様子から。
紙皿と紙コップをつかって、UFOを作って遊びましたよ。
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そして今回もまたショッピングモールのイベントとしては、少し変わった嬉しい出来事がありましたのでご報告。
それは、よく参加してくださっている親子のお母さんが、娘さんの図工についての相談をしてくれことです。
内容は、

うちの子は制作にこだわりが強く時間がかかるので、授業や宿題の時間内に終わることが少ない。
どうしたらいいのだろう。


というものでした。

たしかに学校の図工は時間数が限られていて、
時間内にできることも評価の対象だという考える先生もいるんですよね。
そうなると、本人からすれば好きだからこそ、こだわっていた時間のはずが、
先生の理解は得られず、本当は大好きなのに、「自分はできないのか」と勘違いして、だんだん苦手意識が増えていってしまう。

そんな落とし穴が時にある学校の体制と、表現の魅力のギャップに対して、お母さんがフォローに入ってくれるというのは、なんとも頼もしいことです。
そこであらためて、子どもの育ちと、表現と、学校の時間について一緒に考えることにしました。

***

「時間内に完成させる力は大事」
これは、なんだかもっともらしい言いようですが、
育ちの時間に、その視点はナンセンスだと思います。
なぜなら、自分の価値観の土台を作っている時だからです。

誰かの価値観、誰かの時間にとらわれることなく、自分の思いやアイデアにこだわり、表現にこだわり、じっくり作っていって、自己表現の面白さとむずかしさ、大好きな気持ちを何回も味わっていく。

やがて、その大好きな気持ちと経験がたくさん集まり、本人の価値感の土台ができるからこそ、
今度は自分の評価と他人の評価を客観視することもできるし、何かの時間にあわせて仕上げる力もついてくるのでないでしょうか。

これは僕自身、大人になった今も絵を描くことが好きで描き続けていて、
お仕事として描かせていただいくこともある今、実感としていることでもあります。

(余談ですが、「時間内に完成させることが大事」という先生は、自身がその力を発揮するだけの自分なりの表現方法を持っているのか。ハテナな人も多いです。)

なので、お母さんとも、
「こだわれる」こと自体が素敵だよねと確認しあいました。

もしかしたら学校の通知表の成績に納得いかないこともあるかもしれません。
けれど、それはあくまで担任の先生の見方であって、そもそも自由に描くことや作ることに対して成績がつくのがおかしいこと。
だから評価も時間も気にせずじっくり作っていけて、
かつ子どもの「図工大好き」っていう気持ちが、評価で折れてしまわないように、親もドーンとかまえて、温かく支えていきたいよね。

といった話をしました。
お母さんも
「それでいいですよね。」
とホッとした笑顔をみせてくれました。

***

子育てや教育は、子どもを思うからこそ、考えたり悩んだりするものです。
そこに決まった答えはないけれど、
誰かと共感しあうことで自分のスタンスを確認できたり、
反対に今までの自分とは違う視点を知って気楽になれたり、
そんなやりとりができる場所、存在が街の中にたくさん増えていったらと良いですよね。

イベントの参加をきっかけに、僕のブログを読んでくれたり、こんな風に気軽に相談してくれたりすることは僕にとっても、嬉しく、ありがたいことです。
遊びと学びの場所の可能性を探り、これからも実践し続け、証明していけるよう、ワクワクなプログラムを届けていきますね。

参加してくれたみなさん、ララガーデン川口さん、ありがとうございました(*^^*)
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by doughnut-official | 2014-04-16 15:21 | 親子のWS | Comments(0)

「何もしてないように見えても、ほんとは何もしてなくない。」

こんにちは。
新年度がはじまりましたね!
新たな出会いと再会を楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いします。

さて、本日のリポートは、毎年一度呼んでいただいている、しゃけのこいくらの会さんの親子交流イベントからです。

こちら、しゃけのこいくらの会は、障がいを持つ子ども・青年と親のサークルで、普段は障がいに対する理解や、就職支援の学習会などを行っているメンバーです。
ふだんは、親の活動がメインなのですが、年に一度、親子みんなで遊ぼうということで交流会のプログラムを担当させていただき、かれこれ6年のお付き合いになりました。

毎年30組を超える親子さんが集まるため、皆さん好みも個性も違います。
なのでこの交流会では、半日という時間の中で、少しでも参加者の嬉しい・楽しい・心地よいを共有できる瞬間が生まれればというのをコンセプトにしています。
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共有の中身は何かというと、大きくいってしまうと、たとえ同じ活動をやらなかったとしても、それぞれが自分の思うように過ごせて、それが他の誰かのストレスにならず、安心して心地良くその空間にいられるということです。

というのも、大人にだって、
例えば親しい友人と、一緒のことをするわけではなく、それぞれ読書をしたり、考えごとをしたり別のことをしているんだけど、なんとなく心地良い時間ってありませんか。

他にも例えば、スポーツやカラオケや、ゲームなどで、自分はその遊びに直接参加しているわけではないのだけど、少し外側から「楽しそうだなあ。」なんて眺めて、自分の中にもウズウズやワクワクが生まれる時ってありませんか。

僕はあります。
こういう時間って、一見すると何も共有してないようで、でも、ちゃんと共有しているのだと思います。

しかし、こういう時間があまり認められず
「一緒に活動をできないのはだめ。」「一緒に参加させなきゃ意味がない。」
と思われてしまうことが、子どもや障がいをもった人には多いのではないでしょうか。

それは、子ども達や障がいのある人達を、未熟だから導くべき、教えるべき存在だと捉えているからなのでしょう。

もちろん大人が、先に生まれてきて、この社会での生き方を知っている先輩として、子ども達に教えることや伝えること、周囲がフォローしていくことはたくさんあるでしょう。
しかし、それだけではありません。

小さくたって、障がいがあったって、
人間は、自分で気づき、自分で感じ、行動する力を持っている。

と、僕は思います。
なぜそのように思うかというと、それはこの6年という時間の中で、参加者のみなさんに色々な姿を見せてもらうからです。
今回の場面から二人、紹介しますね。

参加者の中に、今回で三回目の参加となる男の子がいました。
しかし、一回目、二回目の時は、メインの部屋には一度も入らず、
ずっと隣の部屋で過ごしていました。
それに対し、僕もスタッフメンバーも親も、無理にプログラムに参加させようとせず、
彼の気持ちを受け入れ、まずはこの場所がストレスがなく、自分が否定されない場所なんだよということが伝わればと思っていました。

そうして三年目の今年。
なんと彼は驚いたことに、最初からメインの部屋の中ですごしていました。
そして、遊びのプログラムにも参加したのです。
参加して、時には抜けて、という風に自分のペースで楽しんでいました。

さらに驚いたのが、休憩時間。
はじめて彼の方から声をかけてくれたのです。
「おにいさん。おいかけて。」
彼なりに「おいかけっこをして遊ぼう」と誘ってくれたのでした。

最初にいったように、彼は前の二回は、直接プログラムには参加していません。
だけど、その一見参加してないように見える二回を通して、
他の参加者が楽しんでいる姿を見ていたり、参加してもしなくてもアリだということの安心感を得たり、そういう判断の要素が整ったからこそ、今回自分のペースでプログラムに参加したように思います。
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もう一人、その日が誕生日の女の子がいました。
彼女もプログラム中は参加せず、少し離れたところに座っていました。

しかしおやつの時間、彼女が誕生日なことをみんなに紹介すると、
彼女はずっと座っていたイスからスッと立ち上がり、みんなの前にやってきました。
そして、みんながハッピーバースデイをうたい、拍手のプレゼントを贈ると、
彼女は「イエイ」と満面の笑顔をみせてくれたのでした。
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繰り返しになるけれど。
子どもだって、障がいがあったって、もっています。
自分の嬉しいことや楽しいことを見つける力や感じる心を。

そんな子ども達を前に、
大人ができること、
大人がしなくていいこと、
どちらも大切にしたいものですね。

しゃけのこいくらの会の皆さん、今年もありがとうございました☆
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そして、このブログを読んでくださるみなさん、素敵な新年度になりますように(*^^*)
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by doughnut-official | 2014-04-03 00:08 | イベントなどのWS | Comments(0)