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DONUT WORKSHOP REPORT

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「出会いが育てる遊び」

こんにちは!
本日のリポートは、おかげさまで四年目の担当となりました越谷市の公開親子講座です。
市内では年に数回親子のワークショップに呼んでいただいているので、
久しぶりに会う親子さん、はじめましての親子さんあわせて50組がご参加くださいました。
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今回のテーマは親子でつくって遊ぶ♪
ということで、ゆっくり、たっぷり一時間半、子ども達の心行くまま、
絵を描いたり作ったりしてもらいました。その中からポイントを紹介しますね。

今、一人では気づかない・育たない遊びもある

生まれてきて若い、何事にたいしても単純に知識や経験の少ない、
子ども達の遊ぶ姿をみていると気づくことがあります。
それは、モデルとの出会いの大切さです。
感じるのは、例えば今回のワークショップのこんな場面。

最初は大きな紙とクレヨンで、みんなで自由に絵を描きました。

手を動かすと、それが線にあらわれるという感覚が面白い人。
頭に思ったことが形になって、絵を描けるのが面白い人。
面白さは色々あるでしょう。

そうしてしばらくすると、子ども達の反応はわかれていきました。
面白さが継続中の人は描き続けるし、
面白さに満足した人はやめます。「飽きる」という状態です。

描き続けている子はそのままたっぷりお絵かきの時間を満喫してもらえればと思うので、
今回お伝えしたいのは、描くのをやめた子ども達とのこと。

もう描いて遊ぶのやめた!

そんなわが子を前にすると、ママによっては
「あ、もう、うちの子はこの遊びに飽きたのかな。他の遊びがしたいのかな。講師は次の遊びにいこうとしないし、どうしよう。」
なんて思ってソワソワしたりする人もいるのですが、
そう考える前に、このことを思いだしてもらえたらと思います。

経験が少ない子ども達の遊びには、
一人で考えつく範囲の遊びと、誰かと遊ぶことで(見ることで)気づき、発展する遊びがあるということ。

****

車の絵を描いた男の子がいました。
それを見て楽しみ、またもう一枚描くというような面白さもあるでしょう。
だけど、その子は絵を車の絵を描くということだけには飽きていたようでした。

そこで、僕は自分の描いた車に棒をつけて、彼のところに行きました。
すると、彼はパッとひらめきます。
「僕も棒つける!できたら一緒に走ろうよ!」
こうしてごっこ遊びがはじまりました。

しばらくして、彼はまた言いました。
「信号も作ろう!」
今度は信号をつくり、信号にあわせて進んだり・止ったりして遊びました。
結局彼は終了までの時間めいっぱい、想像力を架け橋にして、
描いて作る遊びとそれらを使ったごっこ遊びをいったりきたり楽しんでいました。

こうした遊びの発展は、きっと彼が以前に自分の経験のどこかで、ペープサート(やそれに似たもの)を見たことがあったり、人形とかで遊んだこと(そういう遊びや劇を見たことなど)がなければ、そのアイデアを自分でゼロから生み出すというのは難しいもののように思います。
出会うから気づくし、それをもとにした新しいアイデアが生まれるのでしょう。

出会いが気づかせてくれること、環境との出会い

出会いが気づかせてくれるというのは、好きな食べ物に例に考えてもわかりやすいと思います。
みなさん、好きな食べ物を思い浮かべてみてください。
自分がそれを好きだということをいつ知りましたか?

その食べ物を食べた時ですよね。
僕はカレーが好きですが、そもそもカレーという食べ物に出会わなければ、「カレーが好き」という「自分」には気づきません。
モデルに出会うから、気づく。
遊びもそうなのだと思います。

では今の時代、子ども達の環境にはどのような遊びのモデルがあるかというと。
スマホで子どもの好きなアニメの動画が見られるし、
百円ショップでもある程度ちゃんとしたディテールの車や電車のおもちゃが買えます。
どれも簡単で、便利です。

しかし反対に、身近なモノやシンプルな形を何かに見立てたり、ものを工夫して発展させるという、主体的&想像的な方法のモデルに出会う場面はとても少ない。

だから子どもが
「飽きた。」
というときでも、
それが本当につまらないから飽きているのか、
もしかしたらもっと発展するかもしれないけど、
そのきっかけをまだ知らず、モデルにも出会ってないから、
遊びの展開で生まれず
「飽きた」ということなのか、
少なくとも理由はこの二つ以上はあるように思います。

そこで、ママ・パパ達、先生、周りの友達が鍵になってくるのでしょう。
一緒に遊ぶ中で、親自身の経験から生まれる視点や言葉は、遊びを展開させるヒントになるかもしれないし。
あるいはわざわざ直接こちらが働きかけなくても、周りの友達の遊び方をみて、気づくこともあるかもしれません。
学ぶの語源はまねるから来たとも言いますが、そうやって、遊びを学んでいく。
それで発展したら、遊びはいっそう盛り上がるし。
それでも「つまらない」と思うなら、それは本当に遊びきった、好みではなかった、あるいはまだタイミングではなかったということなのでしょう。

飽きた。

そんな時は、もう一度立ち止まって、わが子の様子を見てみてください。
そしてママ・パパなりに、一緒に遊びながら何か提案してみてください。
ちょっとのきっかけさえあれば、今度は子ども達のほうが、遊びをどんどん発展させていくかもしれません。

*****

子ども達は自分自身で育つ力というのをたくさんもっています。

しかし、人に出会い、物に出会い、環境に出会わなければ、はじまらない育ちというのもたくさんある。
そのことに意識をもちながら、あらためて子ども達の育つ環境に目を向け、保育や教育について考えていきたいなと思います。

参加してくれた皆さん、ありがとうございました(*^^*)
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by doughnut-official | 2014-02-25 17:40 | 親子のWS | Comments(1)

「自信が作る、気力と体力と成長」

こんにちは。
いよいよ今年度もあとわずかですね。思いっきり満喫していきましょう!

さて今日は、こちらも通年で関わらせていただきました、フリースクールりんごの木さんからリポートしたいと思います。

この一年、ワークショップを通して、自分を表現する色々な方法に出会ってもらえたらと、色々な提案をさせていただきました。
その中で、「方法との出会い」ともう一つ、僕が毎回共通のテーマにしていたことは、表現から生まれる自信づくりでした。
自信づくりというとカタイですが、要は自分のことを「私って、けっこう素敵じゃん。」
と実感できる経験です。

自分の好きなことや考えたことを表現して、それが自分で思うようにいったときは、
そんな自分を少し誇らしく思えるものですよね。
さらに、それを周りにも認めてもらえたら(評価とは違います)、
もっと嬉しくなって、ますます自分のことが誇らしくなります。
僕はそういう二つの経験の積み重ねが、自分を信じること=自信をつくるように思います。

今回、こちらのフリースクールでは、一年という時間をかけ、
子ども達が自ら自信を作っていく姿とそのプロセスをあらためて見せてもらいました。
そのことを、一人の女の子の様子から紹介したいと思います。

以前にもリポートした女の子の話です。
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彼女が最初に僕のワークショップに参加したのは、6月のこと。
その当時は「わたし、絵は下手だからイヤ。」といっていました。
僕がよく覚えている場面としては、
最初の一枚目にはハートを書き、その次の紙に丸を描いたら、それがすいかにみえたようで、「よっし、すいかを描こう」といって描きはじめたのですが、
少し色をはみだしとたん、
「わたし、下手。やっぱり、やめた。」
という感じ。
それから何回かは、少し参加をしてみるものの、すぐにやめるというのを繰り返していました。なので、僕も焦らず、「やらない」「やめる」という判断も含めて、彼女自身の判断に対して、安心してもらえることに専念しました。

それから少しずつ関係ができていき、安心がつくられていくことで、だんだんとじっくり参加する場面が増えていきました。

そして秋のリポートのときです。
彼女は本当は絵を描くのが好きなこと、
そして嫌いになった理由は、一年生の時に担任の先生に自分の描いたバッタを
「なにそれ?」
といわれたからだということも話してくれました。

その子が、さらに二か月たった昨年末、描いた絵がこれです。
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半年前、小さな画用紙に描くことにさえ消極的になっていた彼女は、
1m×1m以上もの大きさの板に一人でクリスマスの風景を描いたのでした。

さらに、新年の書き初め。
ここでは、書き方、内容にこだわらず、思うままに筆と墨で書くというきっかけにも出会ってもらえたらと自由に行いました。
そこで彼女が半紙にまず書いた言葉は、

「わー」

これは、彼女の口癖です。
自分の口癖をかいた彼女は、さらに好きな「ぽてと」と「ぷよぷよ」と自分の名前を「ちゃん」づけで書きました。
自分の「好き」を思うままに書いて、名前を記す。
それも「ちゃん」をつけて。
このことにも、彼女の自信がうかがえるようでした。
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そして、先日。
彼女の自信は、フリースクールの教室を飛び出し、真っ白なゲレンデで、大きな力を発揮したのでした。

それは今年の残りわずかな時間、子ども達とより関係を深め、ワークショップのいっそうの充実にも結びつけばと、参加させてもらったスキー旅行でのことです。

スキーが人生初体験の彼女は、緊張しながらソロリソロリとすべっていました。
もちろん初めてですから転びます。
そして起き上がるのにはすごく力がいるし、
すべるにも最初は体の使い方がわからないから、余計な力が入ってしまいすぐに疲れてしまいます。
それでも、起き上がり「やる!」といって、またすべっていました。

そうして一時間くらいしたところで
「スキーはもう終わりにして、キッズコーナーで遊んでくる!」
と言いました。
スキーをぬいで、キッズコーナーに向かう彼女。
僕は内心、夕方までキッズコーナーで遊んでいるのかなと思いました。
(そのことをダメだと思ったり、そんな彼女にネガティブな印象をもったわけではありません)

しかし、それから一時間後、
なんと彼女はスキーをはいて戻ってきたのでした。
それもさっきよりすべれるようになって。
聞けば、キッズコーナーでもスタッフの方と練習したのだそうです。
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初めての挑戦で、自分の思うようにもいかないし、疲れもある。
にもかかわらず、「もっとやりたい!」
と思った、
その思いのプロセスを言葉にするならば、
すべれるようになる自分の姿をイメージできて、そんな素敵な自分を信じることができたから、
「もっとやりたい!」と思えたのでしょう。

最終的に彼女は、リフトにのり、上から滑ってこれるようになりました。

*****

自分を信じる。
自信。

僕は自信ってすごく大切なものだと思います。
それは、「何かの能力が他の誰かよりも自分のほうが優れているから、自分は素敵なのだ」という、
比較からくる自信ではなくて
ありのままの自分を「好き」と思える、そういう意味での自信です。

何ができても、何ができなくても
「自分のことを好き」と思えたら、その子はきっと大人になってからも幸せに生きていける、
そう思うからです。

でもこの一年、彼女やりんごの子ども達を見ていて教えてもらいました。

自信というのは、ありのままの自分を好きでいることだけでなく、
新しいことに一歩を踏み出す勇気や、
それがちょっとくらいダメでも続けられる体力、
そして、さらに素敵な自分への成長を作る源になる。
ということ。

りんごの子ども達。
今の子ども達も好きですが、いっそう魅力的に成長していくことを、僕も楽しみに信じています。

一年間、本当にありがとうございました(*^^*)
そしてこれからもよろしくお願いします。
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by doughnut-official | 2014-02-21 22:37 | 小学校などのWS | Comments(3)

「一年間を通して見せてもらった子ども達の魅力と環境の大切さ」

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みなさんこんにちは!
少し久しぶりの更新となってしまいました。
先週・今週は大雪が続きましたね。
みなさん大丈夫でしたでしょうか。
僕もおかげさまで、寒さに負けず子ども達とワクワクの時間を過ごさせてもらっています。

さて今回は、通年で担当させていただきましたつるた保育園さんにて、年長組、最後のワークショップの様子をリポートです。

今回作ったのはハコ列車♪
それぞれの車両がどんな風かは、一人一人の自由。
つらなって進むもよし、時には分かれて進むもよし、そんなナンデモハコ列車です。
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子ども達の作った車両をみてみると、
動物たちの車両にホテルの車両、
ドレッサー車両におみくじ・ゲーム車両、絵の具も出せる消防車両、
風で進む工夫をしたウィンド車両など色々ありました。
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子ども達が見つける面白さのポイント、想像の方向性はそれぞれです。
好きなモノや憧れが投影されていたり、
おみくじ列車なんかは、もしかしたら年始に初詣でひいたんですかね、
無意識に生活が反映されていたり、
はたまた、どんな車両にするかよりも、動かす仕組みの方に関心が強かったり。
そういう一人ひとりの違い、個性が見えてきて、とても魅力的でした。
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そして、今回僕がなにより嬉しく思ったのは、

みんながそれぞれ、自分の作ったものに自信をもっていたということ。

Aくんより僕のほうがうまく作れたとか、
Bちゃんみたいなのが作れなかったから私のはダメだとか、そういうムードは全然ありません。

友達との比較ではなく、できる自分とできない自分との比較でもなく
ただ今の自分自身に対して、

「僕・わたし、やったぜ♪」

っていう気持ちが子ども達一人ひとりの表情から溢れていました。

その姿と、そういうそれぞれの気持ちとカタチ(作品)を包みこむクラスの雰囲気がとても素敵でした。

もちろん、そこには、担任の先生たちの存在もかかせません。
先生達と僕の呼吸=信頼関係も回を重ねるたびにできていったように思います。
クラスの子ども達が思うように作れていても、考えこんでわからなくなったり、できなかったとしても、
そういう姿全部に対して、焦ることなく、穏やかに見守る・寄り添う。
先生達とこうしたまなざしを共有できたことが、大変嬉しく、ありがたいことでした。

自分の思いを思うままに表現できる場所と仲間と
聞けば年長組は最初、おとなしい子が多い印象のクラスだったそうです。
だけど、どんどん一人一人の魅力的な個性が見えてきたそうで。
そのことを帰りがけに担任の先生が聞かせてくれました。

もちろん、ふだんの保育の時間が充実しているからこそですが、
僕とのワークショップの時間もきっかけの一つになったなら嬉しい限りです。

大きくなったら
もう一つだけ、嬉しかったことを紹介します。
ワークショップが終わった後は、毎回子ども達と一緒にお昼ごはんを食べさせてもらいます。そこで数人の子ども達と、もうすぐ小学生だねという話をしていたら、
一人の男の子がいいました。

「僕ね、大きくなったらひでちゃんになるんだ。」

ひでちゃんになる。

僕の仕事は、おまわりさんとか、お花屋さんとか、わかりやすい名称がないから、
こうやって子ども達に工作、遊びのきっかけを届ける仕事をする大人を
ひでちゃんになるといってくれたのでしょう。
嬉しいことです。

いつか、どこかで、大人になった彼とコラボする日が来るのかもなんて思うと未来へのワクワクはいっそう止まりませんね。

つるた保育園での一年間、
子ども達・先生達との素晴らしい出会いがあり、
そして一年という時間をかけ信頼関係ができていくことで、よりいっそう見せてもらえた
子ども達の魅力、先生達とのチームワークの大切さ、
たくさん学ばせていただきました。本当に感謝でいっぱいです。

つるた保育園の皆さんありがとうございました(*^^*)
これからもよろしくお願いします。
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by doughnut-official | 2014-02-15 19:47 | 幼稚園・保育園などのWS | Comments(1)