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「こどもっていろいろわかってる」と思う話

donatsu.exblog.jp

「子どもたちのものづくりは、こころづくり」

さて、今日は今年度二回目となります、つるた保育園さんでのリポートです。
園に到着し、まずは外で今日の準備をしていると、
「あれ、ひでちゃんきてるよ!」
「ほんとだ!」
「おーい、ひでちゃんきたきた!」

周囲に声をかけあい、テラスで迎えてくれたこどもたちは、こんな光景。
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ワークショップはまだ一度しかやっていませんし、二か月ぶりだというのに、こんなにも素敵なお出迎えをしてくれました。

感謝と嬉しさとワクワクで僕は一気にエンジン全開。
子ども達もさっそく準備を開始し、パンツにランニングという見事な勝負服で外にでてきてくれました。

こうしてまずは4歳クラスとスタートしました。
「このダンボールや材料を使って、何が作れそう?」
僕の問いに、子どもたちの目はキラリ。
空き箱や容器を組み合わせ、家づくり、基地づくり、ロボット、海賊船、レジスター、パソコンetcみんな思いつくままに作っていきました。
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つづいて、1歳クラスがその隣のスペースにやってきました。
こちらではダンボールをひらいての絵の具あそびです。
筆を手に持ち、色と身体の感覚、筆や絵具の感触を実験するように、発見するように遊んでいます。
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今度は3歳クラスです。
最初はこちらも絵の具の感触、色の感覚を楽しむように、遊んでいました。
「あー、指が気持ちいい。」
と声にだして確認・紹介したりもしていました。
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そのあと展開が二つにわかれていったのが印象的で、
絵の具の感触を引き続きたっぷり楽しむ子もいれば、今度はイメージを膨らませてごっこ遊びがはじまる子もいました。
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彼はパン屋さんです。ダンボールの街にパンの配達をしていましたよ。
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つづいて2歳クラスもはいってきました。
こちらもダンボールをひらいての絵具遊びです。
「この物体(えのぐ)はなんなのだろう」という実験的な絵具の遊びの一歳に対して、二歳は「この感覚は面白いぞ」と自覚をもって遊んでいるようでした。
同じように見えても、感じていること、考えていることはきっと全然違うのでしょう。
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最後は5歳クラスです。
5歳クラスは最初にみんなで作戦を共有することにしました。
「今日はここに街をつくろうと思うんだ!どう?」
「いいねぇ!」
僕の提案に賛成をいただき、今日の材料を紹介して、早速はじめました。
すると、一人の男の子がいいました。

「よーし!作るかぁ!!」

手をパチンとたたきながら、誰に言うでもなく、自分に気合をいれる掛け声が、みんなにひびきわたりました。その声がなんとも心地よくて、僕自身も含め、みんなの心が一つになったような感じでした。

お家、
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車、
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「ガムテープはいまどこ~?」と周りに声をかけて材料を共有したり、「ここもってて。」なんて言いながら協力しあう姿も印象的で、とても大きな作品ができあがりました。

こうして1歳から6歳まで、総勢100人を超える子どもたちとのワークショップは、
午前中をたっぷりと使って、のびやかな時間が流れていきました。

****
今回のワークショップも年齢は本当に幅広く、でもみんな同じ空間で、表現の時間をすごさせてもらいました。楽しみ方は十人十色です。
それでもただ一つみんなに共通していたこと、それが「自分がやりたい!」という思い、主体性です。

一人ひとりの主体性に寄り添って子どもたちを見ていると、
主体性というのは、保育者・教育者がとらわれがちな、大人、子ども、年齢、発達や障害、そういったカテゴリーの壁を全部壊してくれるように思います。

やりたいことをやる。

こんなに単純なことなのですが、
一人ひとりが自分の思いを受けいれられた上で一緒に時間を過ごしているから、
誰かが誰かを否定することもなければ、誰かが誰かを傷つけることもありません。
一人で集中することも、仲間と協力することも、自然と生まれていきます。
そこには、年齢も発達も関係ありません。

やりたいことをやるのでは、ケンカもおきるし、場があれるのでは、
と思う人もいるかもしれません。
でも、本当に心から信じたこと、ありますか。
どこかで心配してるから、
どこかで信用していないから、
それすら察知して子どもたちは動いているような気が、僕はします。

そしてもうひとつ。
そんな子どもの主体的な育ちの時間のうしろには、それを丸ごと受け止めていく、大人たちがいます。

ここは先生たち、みんな笑っているんですね。
子どもも、保育士も、心から笑っている。

僕はその雰囲気に嬉しくなりながら
「いやぁ、みんなの作りっぷりも汚れっぷりもすごいですね。」
と、えのぐまみれの子どもたちを見て言いました。
すると園長先生が言いました。
「この姿をわかってもらえるだけの信頼関係を、親御さん達とつくっていくことが大切だと思っています。」
力強い返事。

子どもたちのこの姿に、パパやママたちもきっと笑ってくれることでしょう。

親、保育士、地域の大人、
そのまん中に子どもたちがいる。
子どもの育ちにおいて、これに勝る実践なんてなにもないような気がします。

子どもたちのものづくりは、こころづくり。
じぶんづくり。
ゆっくりゆっくり、つくっていってください。

つるた保育園のみなさんありがとうございました(*^^*)
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by doughnut-official | 2013-07-01 19:18 | 幼稚園・保育園などのWS
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