こんにちは!
さて今回は、高根沢第二幼稚園さんでの研修会のリポートです。
まずは、先月日光の子どもたちと盛り上がった、
「遠足に何をもっていく?」
というワークショップをやりました。
先生達のバッグは、ハンドバッグにトートバッグ、リュックにキャスターつきバッグなど用途と好みに合わせて種類は色々でありましたよ。
もちもの(つれていく)なども色々です。
ハンカチ、ちりがみ、お財布からはじまり、愛犬を連れていくという先生、
のどあめや・薬、ウコンの力をもっていくという先生もいるし、
雨傘や専用のシャンプーをもっていくという先生もいます。
シェフをつれていくという先生もいれば、宇宙旅行セットをもっていく先生、さらには希望と夢をつめていくという先生もいました。
話を聞いていくと、皆さん説明してくれる想像のディテールがなんとも細かいこと。
その姿をみていると、先生達がふだんいかに子どもとの想像の遊び、ごっこ遊びの世界で、子どもたちによりそっているかというのが見えてくるようでもありました。
思い思いのアイデアを熱心に紹介してくれる先生たちのおかげで、僕も一瞬にして仲間になれた気持ちでした。
現実的なアイデア、空想のアイデア、まさに十人十色の個性を見せてもらいましたので、
このやりとりをふまえて、ここからは理論編です。
表現しあう中で大切だと思うことを伝えせてもらいました。
まず、一番に共有したこと。それは、
「なぜ表現するか」
ということでした。
先生達とえんそくバッグを作ったのは、先生達の工作のスキルを見るためではありません。
一人ひとりがどんなことを考えたかをコミュニケーションするためです。
「あまりうまく作れなかったんですけど…」
「作りは簡単なのですが…」
最初はこのような遠慮した声が、先生達の中でも聞こえてきました。
しかし、お互いのアイデアを知れば知るほど、そうした不安は吹き飛ばしてもらえたようです。なぜなら上手い下手の価値観など、はるかに超える一人ひとりの魅力を実感できたからです。
互いに表現しあうことで、
共感しあえたり、
あるいは共感ではなく違いを認め合えたり、
そういうやりとりこそが表現の一番の醍醐味だろうと、確認しあいました。
そして、もう一つ。
「試行錯誤」「葛藤」の大切さというのも伝えさせてもらいました。
表現は見えないことを、見えるようにする活動です。
それが簡単なわけはありません。
表現というと、作品として残る以上、つい結果ばかりに目がいきがちですが、
「育ちの時間」においては、うまくいったり、失敗したり、その経験を何度もできること自体に大きな価値があるのでしょう、と。
こんな二つのポイントを軸にして、色々と実践的な子どもたちとの関わり・視点についてお話しさせてもらいました。
先生たちも、非常に共感してくださり、
「工作に対する考え方の楽しさがふえた!」
「早く子どもたちとやってみたい!」
「子どもたちにも会ってほしい!」
と嬉しい感想をたくさんいただきました。ありがとうございます(^^)
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今日はもう一つだけ印象深かったエピソードを紹介したいと思います。
それはこちらの園長先生の言葉です。
たくさんの素敵な言葉を聞かせてくださったので、皆さんにもおすそわけしましょう。
「結果よりもプロセス、そして心だと思うんだ。」
「幼稚園は汚れにくるところだよ。」
「自分の好きなこと・やってきたことしか、子どもたちには教えられないと思う。」
どれも力強く、優しい言葉でした。
そして、僕が中でもとくに一番印象深かった言葉、それは、
「ありがとう。」
でした。
僕が園内を見せてもらっているとき、お部屋の鍵をあけてくれた先生に
「ありがとう。」
教室を見ているとき、普段の子どもたちの様子を紹介してくれた先生に
「ありがとう。」
一人ひとりに「ありがとう」と感謝の言葉を丁寧に伝えていました。
ありがとう。
教育・保育の現場では、大人が子どもに言わせようとする場面はたくさんあっても、大人が心から素直に言っている場面というのは意外と見ないように思います。
このような園長先生のまっすぐな姿勢も、
園の先生達、そしてなにより子ども達のイキイキにつながっているのかなと思いました。
高根沢第二幼稚園の皆さん、そしてご縁をつないでくださった田代さん、
本当にありがとうございました(*^^*)