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「こどもっていろいろわかってる」と思う話

donatsu.exblog.jp

「児童館の役割と可能性」

栃木県児童館連絡協議会さん主催の職員研修会に呼んでいただきました。
児童館の研修ということで、僕なりに今までたくさんの子ども達、大人達との出会いの中から考える「児童館の役割」について、工作遊びの実践やエピソードをまじえながらお話しさせていただきました。
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今回お伝えした大きなポイントは、二つ。
子ども達に向けて、「創造的な遊びに出会える場」としての役割と、
親達に向けて、「子育て観を伝える場」としての役割です。

まず創造的な遊びというのは、
例えば、工作や手芸、基地づくりといった自分でものを作る遊びや、
例えば、鬼ごっこで小さい子にはハンデをつくれるといった、自分達でルールをアレンジ・工夫できる遊び。そういう、自分達で考えて、実現できる遊びです。

こういう遊びを子ども達は大好きですが、実は今の生活の中にはあまり出会う場がありません。
携帯ゲームやカードゲーム、100円ショップでもなかなかのクオリティな車や人形のおもちゃetc、最近の遊び・おもちゃは質が非常に高いです。
しかし、実は弱点もその高さなんです。
なぜなら完成度が高すぎて、自分たちでつくりかえたり・アレンジする隙間がないから。自然と受身的な遊びになっていきます。

僕はそれ自体を否定しているわけではありませんが、今の環境で、主体的な遊びと受身的な遊びがアンバランスなように思います。
そこで、児童館の出番です。
児童館で触れるシンプルで創造的な遊びに子ども達が
「こんな遊びあるのか!」
「自分で作るって面白い!」
と思ってくれて、児童館がそういう創造的な遊びのきっかけの場所になってくれたら、
その役割は非常に大きいと思います。
「児童館の役割と可能性」_f0148974_13222596.jpg

二つ目は子育て観を発信する役割です。
児童館は乳幼児の親子の利用者も多いわけですが。
そこで親御さん達が陥りやすい悩みが、わが子とほかの子の「比較」です。
「あの子はもうできてる。うちの子はまだできてない。どうしよう。」
孤立しがちな親子にとっての居場所となり、仲間をつくって安心を増やすはずが、子ども同士を比較することでかえって不安が増えてしまったりする。
そこで児童館の出番です。
発達のスピードも、個性も十人十色であることを、あらためて親御さんに伝えることは、今の児童館職員さんの大切な仕事だと思います。

「だいじょうぶ。」

そういって、もらえるだけで、どれだけの親たちが安心するでしょう。
ほっとできたら、わが子の魅力もますます見えてくるように思います。

TVにネット、スマホに雑誌、
様々な方法で子育ての情報を知ることができますが、これらはどれも視覚が中心の情報です。
しかし、子どもの成長は目にみえないことがたくさんある。
そんな子どもの成長のものさしを、児童館という場所が少しでも増やすことができたら、
それは非常に大きな子育て支援だと思います。

保育園も、幼稚園も、小学校も、児童館も学童も。
根っこの根っこは同じです。

子ども達が今を幸せに感じられること。
そして、未来にワクワクできること。

そのことを根っこに、お互いがんばっていきましょう。
ご紹介くださった長島先生、実施してくださった子ども未来課&子ども総合科学館育成課、そして参加してくださった先生方、
みなさんありがとうございましたm(^v^)m
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by doughnut-official | 2012-11-03 13:25 | 研修会・講演
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